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地下鉄(メトロ)に乗って
迷路のようなトンネルの果て、過去と未来が交差する
『地下鉄(メトロ)に乗って』の作品情報詳細
公開日:2006年10月21日
製作国/製作年:日本/2006年
配給会社:ギャガ・コミュニケーションズ、松竹
ジャンル:【ドラマ】
オフィシャルサイト:http://www.metro-movie.jp/
Copyright:(C)2006 METRO ASSOCIATES
『地下鉄(メトロ)に乗って』の解説
絶縁状態の父親が倒れたという知らせを受けた日、小さな衣料品会社の営業マン・長谷部真次は、いつものようにスーツケースを転がしながら地下鉄で移動していた。そこに突然、亡き兄が姿を現す。兄の背中を追って地下通路を抜けると、そこは昭和39年の東京だった。ほどなくして真次は無事現在に戻ってくるが、後日、今度は恋人の軽部みち子も一緒に昭和21年に遡り、闇市でしたたかに生きる若き日の父・小沼佐吉に出会う。
大都会・東京の地中深く縦横無尽に張り巡らされた地下鉄路線。多くの人々にとっては何の変哲もない日常の移動手段に過ぎない。そこから逸脱し、過去に旅する主人公の真次とみち子は、図らずもお互いの絆を深めることになるのだが。演じる堤真一、岡本綾と一緒に見る者も、地下鉄の轟音と共に過去へ連れ去られる。直木賞作家・浅田次郎の自伝的要素の強い同名小説を原作に、一筋縄ではいかない父と子の愛憎や、愛する男を幸せにするために非常な決断を下す女心がエモーショナルに描かれる。大沢たかおが出征直前の若者から、威圧的な父親までを一気に演じれば、真次を過去に誘う恩師役の田中泯が圧倒的な存在感で異彩を放つ。
『地下鉄(メトロ)に乗って』のスタッフ・キャスト
監督:篠原哲雄
原作:浅田次郎
出演:堤真一、岡本綾、常盤貴子、大沢たかお、田中泯
『地下鉄(メトロ)に乗って』のネタバレ映画レビュー
時代考証とかストーリーの整合性などで酷評するレビューを目にしますけど浅田次郎の描く世界は「夢の世界」と「現実」を織り交ぜて語られるファンタジーなんだと思います。そんな不思議な気分を味わえるのも映画の魅力ですから私は単純に楽しめました。
真次(堤真一)が最初に不思議なタイムトリップを経験したのは亡兄の命日なのですが、原作では、その兄は昭和39年の同日に地下鉄の線路に跳びこんで自殺しています。それが映画では、トラックにはねられて亡くなる展開になっています。ですから、終盤、真次(堤真一)が母親に「久しく行っていない生家へ地下鉄に乗って行こう」と語りかけ、母親が意を決したように「そうだね・・・」とうなずく場面の意味が明確に伝わりにくい原因になっていて残念な気持ちになりました。
みちこが(自分を)妊娠中の母親と石段を転げ落ちて存在が消滅する場面は衝撃的で男性の私には余韻を残しましたが女性には不評のようです。
この作品のテーマは、どうも「罪と罰」「血縁」みたいです。
父親(大沢たかお)を冷酷な人間であると憎んでいた真次(堤真一)が一番父親に似た人間になっていたのも血が繋がっているからで、 それゆえ、真次(堤真一)も不倫をする。だが、同じことが繰り返されているのを止めなくては面白くない。だから、死を選ぶのが綺麗で、且、考えさせる終わり方だと浅田次郎は考えたのでしょう。この点の受け止め方の違いがレビューに反映されているような気がします。
タイム・スリップすることによって父親の真実を知ることになるわけですが、時代を行き来する場面の切り替わりが良く出来ています。結構、切り替わりが多いのですが気になりませんでした。エピソードも省略されたり、簡素化されたりもしているのですが許せる範囲です。そうした演出の上手さに加えて俳優たちの演技もなかなかでした。涙を誘うほどではないのですが、結構いい作品に仕上がっていると思います。

